伊藤秀樹
12日午後6時15分ごろ、和歌山県高野町高野山の県道で、同町の町職員女性(26)が運転する乗用車が、道路脇に立っている国史跡指定の石柱の道標「町石(ちょういし)」に衝突した。橋本署によると、女性は額を打って軽傷の見込み。町石は二つに折れ、先端部が隣接する民家にぶつかり壁に穴があいたという。
町石は、大正時代に再建された石造の五輪塔形で高さ約2メートル。町教育委員会によると、町石は平安時代に木製で建てられ、鎌倉時代に石造に建て替えられた。九度山町の慈尊院から高野山までの表参道に1町(約109メートル)ごとに立ち、216基が現存するという。2004年にユネスコの世界遺産に登録された「紀伊山地の霊場と参詣(さんけい)道」を構成する文化財の一つという。
高野町の平野嘉也町長は「町職員が交通事故を発生させ、世界遺産の構成要素である町石を破損したことについて、最大限のおわびを申し上げるとともに誠に遺憾であります」とコメントを出した。修復方法や時期は未定という。(伊藤秀樹)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル